「なぜかイライラが止まらない…」その感情には理由がある
今回は、あるクライアントCさんとのセッションでの気づきをご紹介します。
Cさんは、職場にいる
<なんでも自分のことを話す、あけっぴろげな人>
に対して、
なぜか強い怒りを感じてしまう、という悩みを持っていました。
「またあの人、あんな話してる…」
「なんであんなに何でも言えるの?」
仕事が終わって家に帰っても、
その人のことばかりが頭に浮かび、
イライラとモヤモヤした気分が消えません。
リラックスしたいのに、心は落ち着かない。
楽しいことを考えたいのに、つい嫌なことがよみがえってしまう・・・。
Cさんは「これではいけない」と思い、
「相手を理解しよう」
「相手を受け入れられるように頑張ろう」
と、努力します。

たとえその場は収まってたとしても
また同じようなあけっぴろげな人が現れたとき
ひとりで静かにしている時間になると、
また思い出してしまい、
モヤモヤ、イライラが起きるかもしれません。
だけど、どうしてそういう人に対してモヤモヤ、イライラが起きるのか?
とっても不思議だったんです。
その感情には理由があった。
リラックスすると、感情が“顔を出す”
私がこの話を聞いて感じたのは――
「リラックスしてるときにこそ、抑えていた怒りの感情が出てきているのでは?」ということです。
普段は忙しさや緊張感で押し込めている感情。
それが、心がゆるんだときにふと湧き上がってくる。

実はそれ、ずっと無意識の中で抱えてきた「過去の怒り」なのかもしれません。
人間の行動や感情には、たいてい理由があります。
たとえば、嫌いな人や苦手な人が近くにいると、自然と体がこわばったり、言いたいことが言えなかったりしますよね。
その「苦手」「嫌い」という感覚の裏には、過去の体験や思い込みが潜んでいることが多いのです。
だからこそ、Cさんがリラックスしている時にまで怒りを思い出してしまうのは、
「今の怒り」ではなく、「過去の怒り」が今も残っている可能性があるのです。
たとえば、「私をこんな気持ちにさせたあなたを許さない!」という強い思いが、どこかに残っているのかもしれません。
ハコミセラピーで見えた“怒り”の根っこ
Cさんのハコミセッションは、「右肩の痛み」という身体の感覚からスタートしました。
セッションを進めていくと、Cさんは「いつも人に気を使って、がんばり続けている自分」に気づきます。
そして、幼少期の記憶がよみがえりました。
――小学生の頃、ある日突然、理由も分からずいじめられ、仲間はずれにされた体験。
誰にも相談できず、一人で抱え込み、「何も悪いことをしていないのに」謝って、許しを乞うことで、その状況から抜け出そうとしたのです。
その体験を通じて、Cさんの心に根付いたのは、「嫌われないように、人の機嫌を取らなければいけない」という思い込みでした。
それからというもの、Cさんは“自分を偽ってでも、相手に合わせる”ことを無意識に続けてきました。
だからこそ、職場であけっぴろげな同僚を見ると、どこか「怒り」が湧いてきてしまうのです。
「どうしてあの人は、あんなに自由に振る舞えるの?」
「私だって、本当は言いたいことがあるのに…」
Cさんは、ハッと、
「だから同僚に怒りが沸いたんだ!」と、気づかれました。
固かった表情がふっと柔らかくなりました。
怒りは小さくなり、右肩の痛みも消え、胸には“自由な広がり”が感じられるようになったのです。

怒りの奥にある“あなたの本音”を大切に
怒りや不快感は、できれば感じたくない感情かもしれません。
でもそれは、「あなたの本音」に気づかせてくれる大切なサインです。
「なぜこんなにイライラするんだろう」
「どうしてあの人が気になるんだろう」
そんなふうに自分に問いかけてみると、今まで気づけなかった“自分の気持ち”が見えてくるかもしれません。
リラックスしている時に湧いてくる感情ほど、実はあなたにとって大切なものだったりするのです。

怒りやモヤモヤ、不快な気分には、思っている以上に深い「理由」があることがあります。
そしてその理由は、私たち自身の中に眠っていて、気づかれるのを静かに待っているのかもしれません。
Cさんのように、「なぜこんなに気になるのか」「どうしてこんなに反応してしまうのか」――
その答えに気づいたとき、人はふっと力を抜いて、自分を許せるようになります。
ハコミセラピーでは、体の感覚や心の動きに丁寧に耳を傾けながら、自分でも気づいていなかった本音や感情とやさしく向き合っていきます。無理に何かを変えようとしなくても、自然と心がほどけていくようなセラピーです。
「私も、本当の気持ちに気づいてみたい」
「ずっと抱えているモヤモヤに、そろそろ向き合いたい」
そんなふうに感じた方は、ぜひ一度ハコミセラピーを体験してみてください。
あなたの中にある“気づき”が、そっと心を軽くしてくれるかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が、心のどこかに温かく届いていたら嬉しいです。
