静けさこそ最強の魔法。ポタハリが出会った“ハコミセラピー”の世界

僕の名前はポタハリ。今、魔法学校の6年生だ。
最近、胸に不思議な感覚が宿り、それは一体何なのか?
知りたくて、メル・ダンブルドア校長先生に尋ねた。

「校長先生、ぼくは3歳のとき両親を亡くし、
親戚の家に引き取られました。
親戚はいつも意地悪ばかりで、正直嫌です。
だけど友達のウィズリーの家に行くと、何だか胸のあたりが妙な感じがするんです。
この妙な感じは病気でしょうか?」

校長先生は聞きました。「その胸の正体を知りたいか?」

ポタハリは頷きました。
するとその瞬間、
校長先生は杖を振り、ある呪文を唱えました。

「エクスぺクト パトローナム!」

その瞬間、ポタハリは宇宙に放り出された。

紺色の広い空間の中で、ひときわ緑色に光っている星がボクの気をひいた。
その星には、ボクがずっと探していた“何か”があるような気がした。

ボクは導かれるように、その星に降り立った。

その星の人々は忙しそうに動いていて、
光る板を指でなぞり、空を飛ぶ鉄の鳥が行き交っている。

空はほうきで飛ぶものだと思っていた!
どうやら科学の星らしい。

 その混乱のさなか、
「ハコミ」と書いてある看板がついた小さな家が目に入った。

よく見ると「あなたの心を癒します。」と、小さく書いてある。

治療院かと思い、窓から覗いてみた。
が、薬草の香りも呪文の本もない。

ただ静かな部屋に、二人の人間が座っているだけだ。
片方がなにやら優しく問い、
もう片方は目を閉じてポツリ、ポツリと話しをしている。 

「杖も呪文もなしに“癒し”とは? 
なんて高位の無詠唱魔法(むえいしょうまほう)なんだ!」 
と、息を呑んだ。

 ボクは不思議な気持ちになって、
家の窓からしばらくじっと観察をした。

どうやらひとりは術者
(彼らは“セラピスト”と呼ばれているらしい)で、
もうひとりは相談者らしい。

術者は相談者を治そうとしてない。

ただ「いま、どんな感じがしますか?」と尋ね、
静けさを大切にしている。 

最初は理解不能だった。

静けさはボクの国では禁忌だ。
静かにしていたら、呪文を忘れた者だとバカにされる。

ところがこの儀式では、静けさこそが力の源らしい。

やがて相手の目から涙があふれ、
表情が穏やかになっていくのを見て、
ボクの胸の中が震えた。

あれ?この胸の震えは僕が知りたいものとよく似ている気がする!

これは“癒しの術”なのか?
僕は知らない間に術にかかっていたのか?
だけど、魔力ではない気がする。
何かもっと柔らかく、目に見えない力が働いている。

やがて、相談者は家から出ていき、
術者は窓の傍にいるボクに気づいた。

術者はニッコリ笑って 
「試しに、受けてみませんか?」と、
ボクを家の中に誘ってくれた。

ボクはおそるおそる家の中に入ると、
部屋の中は植物が置かれていて、
落ちつく空間だった。

勧められるままに椅子に座ると、
術者は
「何も変えようとしなくて大丈夫。目を閉じて、
ただいま感じていることに気づいてみましょう」 

と言った。

ボクは、胸の妙な感じについて話しだした。

「えっ……と…、胸のあたりに火属性の乱れを感じるんです。」

「どんな火なのかしら?それを、ただ感じてみてください。」
 

ボクは思わず、鼻で笑った。

ただ感じる? 
感じて、どうするんだ? 
封印の呪文も、修復の詠唱もない。 

だが、彼女の誘導が続くうちに、
いつの間にか、まるで海の底にいるような静けさが訪れていた。

胸の奥の方から何かがほどける感覚がする。

固く縛っておいた紐がはらり・・・そんな感じだ。

すると長らく忘れていた懐かしい温もりが
胸に流れ込んできた。

それは、ずっとずっと幼い頃の母との記憶。

母がホットケーキを焼いてくれて、
蜜をたっぷりとかけてくれた。

「ポタハリ、温かいうちにお食べ」
と、笑顔でボクに言った。

そうだ、あのときの胸の感覚だ。

温かくて、黄色の光がキラキラしていて・・・。

口の中に甘さが広がり、
口の周りについた蜜をペロペロと舐めていた。

母はそれを見て笑った。

ボクも一緒になって笑った。

そうか・・・。
友達のウィズリーのお母さんも、
ボクにいつも「いらっしゃい」と、
笑顔で迎えてくれる。

そうか、この胸の痛みは、あのときのものだ!

気づくと涙が頬を伝い、胸が震えていた。

胸の痛みは“ぬくもりと切なさ”で、できていた。

だけどボクはこの切なさが心地いい。

この胸の痛みは魔法では分からなかっただろうな。

胸の痛みが静けさの中で溶けていく。

 ふと、静けさの中に、
誰かが母のように見守ってくれている安心を感じた。

 その“誰か”は術者であり、
同時に、ボク自身の内なる何かでもあった。 

それを、彼らは「マインドフルネス」と呼ぶらしい。 

なるほど、心の奥に潜む精霊と友好を結ぶ術・・・。

そう解釈すれば納得がいくな。

 

儀式が終わる頃、
ボクの中は静まり返り、
代わりに温かな光が満ちあふれていた。 

これは魔法ではない。
いや、もしかすると、もっと古く深い魔法・・・。
“感じること”そのものなのかな。

 その瞬間、強い光がボクを包み、元の世界へ戻った。

目を開けると、校長先生が笑顔で
「お帰り、ポタハリ。胸の妙な正体は分かったかい?」
と聞いてきた。

ボクは「はい。それはボクだけが知っている宝物でした。
それと、新しい魔法を知りました。
“ハコミ”と呼ばれる術です。
杖も呪文も不要。ただ感じるだけなんです。」

校長先生が「それでは何も起こらないのでは?」 

ボクは笑って答えた。
「うん。感じるだけで、静かに起きてくるんです。そのときこそ、真の魔法が起こってくるんだ。」

 静けさこそ、最強の魔法。 

この教えを胸に、
ボクは今日も静かに杖を置き、
ただ感じる修行を始めた。

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あれからボクは、「感じる修行」を続けている。

杖を置き、身体の声に耳をすます日々だ。

もし、あなたの胸の中にも“何かがうずく”ような不思議な感覚があったなら ・・・それは、ハコミの星からの呼び声かもしれない。
 
 僕が訪れたあの小さな家、「ディーパ心理セラピールーム」では、
静けさの中で心を癒す魔法(いや、セラピー)が行われているらしい。

杖も呪文もいらない。

ただ、感じて、気づいて、やわらかくなっていく。

 興味のある者は、光る板(この星では“スマートフォン”というらしい)で
「ディーパ心理セラピールーム」 を探してみるといい。 

もしかすると、あなたの中の“古い魔法”が目を覚ますかもしれない。

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小川こころさん主催の文章教室に通っています。今月のテーマは「エンタメと教養を 両立した文章を書こう!」でした。テーマに基づいて「ハコミセラピー」の雰囲気を少しでも感じて頂けたら・・・と思い、書いてみましたが、いかがだったでしょうか?
まだまだ拙い文章ですが、お読みいただけるあなたの胸に、少しでも温かさが届いたなら嬉しいです。

https://note.com/aonekoworks

もし、今あなたが胸の中に“何かがうずく”ような不思議な感覚があるのなら ・・・ハコミセラピーでその”何か”を探求してみませんか?

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ハコミ認定セラピスト いしき じゅんこ

プロフィール一色 順子(いしき じゅんこ)
ハコミセラピー(身体心理療法)を2015年から2年間(360時間)学ぶ。Certified Hakomi Therapist (CHT:ハコミ研究所 認定ハコミセラピスト)米国のトレーナーからスーパービジョンを受けながら、日々セラピーの向上を目指しています。※ハコミセラピーは、40年以上世界各国で行われており、臨床的に効果的なセラピーができるセラピストの養成プログラムとして、国際的に認められています。
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mail:uminoiro.soranoiro211@gmail.com
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